(株)NASU夢工房

BRISBANE MOSS/10Wale Corduroy』で作るフルキャンバスジャケット。

前回の投稿『BRISBANE MOSS/工場試験結果』と、時間をかけて検証を進めてきましたが、ついに状況が整い、ジャケットを作りに行ってきました!
(株)NASU夢工房さんへ。

商品説明に直結する工程をピックアップして、説明させていただきますが、少し長くなってしまいそうです、、、ご興味を持っていただける方は、是非お読み下さい。

NASU夢工房

上の写真は「芯据え」と呼ばれる工程で、毛芯に表地を沿わせていく過程で躾を打っているところです。
「芯据え」と言われると、芯を据えるように聞こえますが、据えるのは表地なので、おかしな名前だといつも思います、、、
ミシンを使いますが、見ての通り縫い目を縫うわけではなく、熟練の感覚によって肘で生地を抑え、指先で引きながら腕全体を使って躾を打ちます。この時に地の目の状態には細心の注意が必要で、ここでの失敗は後の工程では取り返しがつかない重要工程になります。
そしてラペル部分には「ハ刺し」をしますが、毛芯ならではの美しいラペルの返りが特徴です。

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このような手法を毛芯縫製と言いますが、これはテーラーと同じ仕立て方になり、難易度が高く、一般的な接着芯を使う簡易的な仕立て方と違い、素材の風合いを活かし、ソフトで立体的な洋服になります。

表地と毛芯はもちろん素材が違います。私の表地(写真の)は綿100%です。(綿で毛芯縫製をしていること自体がすごいです、、、衿も一枚です)
そもそも素材は湿度と乾燥の影響を受け、膨張と収縮を繰り返し、その挙動量は素材によって様々です。異素材を合わせるにはそれぞれをニュートラルな状態にしてから作業に入る必要があります。
その為に、(株)NASU夢工房さんでは加湿ボックスを使用し、その中で素材をリラックスさせ、挙動をコントロールします。これにより、後々の着用で発生する馴染みの問題を解消するのです。
このように時間をかけて作ることを「エージング縫製」と我々は呼びますが、縫製工場さんは工賃商売なので日産が上がるにこしたことはありません。
しかし、あえて工程で寝かすことで日産が上がらないのも、品質を最優先する同社の拘りです。

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私が絶対の信頼を寄せているSさん。
技術の責任者で、長らくお世話になっているお方です。

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ところで、カジュアルものの胴裏と袖裏の縫い目(アームホール)は表地と裏地、それぞれが分離していて、ドレスものは表地と裏地が一体となっているのはご存知でしょうか??
その“一体”にするのが「閉じ」と呼ばれる工程で、上の写真のミシンを使用します。
私のイメージする袖山を作る為に、このミシンを少々カスタマイズしてもらいました!
手にしたドライバーで、分解したのは“メス”です。
通常は写真の押えの横にメスがありアームホールを閉じる際にユキワタを付けを同時に行い、さらに余分な縫い代をカットしますが、

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メスを外しているので縫い代はカットされていませんね。

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「閉じ」が終わったら、裁ち鋏でハンドカットします。
このようなモノ作りは縫製現場に行かないとできません。私が現場に足を運ぶ理由です。

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写真のアームホール下側から上側(袖山)にかけて縫い代の巾が広くなっているのがお分かりいただけると思います。
この形状が作る袖山デザインがあります。しかし、ハンドカットをすることは“ひと手間”になります。

私の希望に、ひと手間の要望に、手間を惜しまずご対応いただけた(株)NASU夢工房の皆様に本当に感謝しております。

絵型で表現できるデザインとは違う、縫製手法やミシンの機構といった“技術”が生み出すデザインがあります。
TAKE & SONSはアイテムに相応しいデザインを、様々な手法を用いながら、拘りを表現していきたいと考えております。

 

*この記事は、(株)NASU夢工房さまの許可を得て掲載させていただいております。
当ブログの無断転載はご遠慮ください。

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